ChatGPTの「学習モード」で勉強方法を変える

資格の勉強や新しい仕事の知識を、最初からAIに答えを聞いて覚えていませんか。最近、AIの利用が、自分で問題を解く力にどのような影響を与えるのかを調べた研究が、国内でも報じられています。本日はその研究結果と、ChatGPTの「学習モード」を使った学び方を解説します。


【何が起きているのか】

米カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)やマサチューセッツ工科大学(MIT)など、5つの大学の研究者による共同研究を、UCバークレーが2026年10月9日に公式ニュースで紹介しました。

研究では、米国在住の合計1,222人が、分数の計算問題や読解問題を解きました。途中までAIの使用が認められていたグループと、最初からAIの使用が禁止されていたグループを比較すると、AIの使用が全員禁止された最後の3問では、それまでAIの使用が認められていたグループの方が正答率が低く、解答せずに問題を飛ばす人も多かったという結果になりました。AIを使ったのは10分ほどの短い時間でしたが、それでも結果に違いが出たそうです。

667人が参加した2回目の実験では、最後の3問で全員のAI使用を禁止し、それまでのAIの使い方によって正答率にどのような違いが出るかを比較しました。

● AIから直接答えをもらっていたグループの正答率:「65%」

● AIからヒントや説明をもらっていたグループの正答率:「76%」

● AIを使わなかったグループの正答率:「77%」

ただし、使い方は参加者の申告をもとに後から集計したもので、研究チームも、答えをもらったことが原因だとまでは言えないと説明しています。

AIの使い方で自力での正答率に差がでた。


【個人ビジネスにどう役立つのか】

この研究で使われたのは、問題を出題すれば、答えをすぐに出すAIでした。研究チームは、質問やヒントで考えを導くAIなら影響を抑えられるのかを、今後の研究課題に挙げています。

ChatGPTには、すぐに答えを示す代わりに、質問やヒントで考え方を導く「学習モード」があります。2025年7月から提供されている機能で、無料プランを含むすべてのプランで使えます。

私が勉強中の中小企業診断士のテキストをアップロードし、学習モードで問題を1問出してもらうと、選択肢の下にヒントが表示されました。回答したあとに、正誤判定と計算過程の解説が返ってきました。

● 例/Webデザイナー:お客さまに説明するため、SEO(検索結果に出やすくする工夫)の基本をひとりで勉強している。

- Before:分からない用語をAIに聞き、返ってきた答えをメモに写して終わる。

- After:学習モードでヒントをもらいながら考え、自分の言葉で説明できるかを確かめる。

私は職業訓練期間中に、対策テキストと無料の過去問サイトを組み合わせ、約3か月の学習でITパスポート試験に一発合格しました。当時はまだ、今のようなAIはありませんでした。今から資格の勉強をするなら、答えを聞くより、つまずいた理由をヒントで確かめる使い方をしたいと思っています。

実際の出題画面①

実際の出題画面②→ヒントが表示された。

実際の解答画面①

実際の解答画面②

実際の解答画面③


【具体的な始め方・おすすめツール】

使うのは、ChatGPT(無料プランあり/https://chatgpt.com/ )です。学習モードで、ヒントをもらいながら学ぶ手順は以下の3ステップです。

✅ ステップ1:学びたいテーマを1つ決める

資格試験の分野や、仕事で使う新しいツールなど、身につけたいテーマを1つ選びます。

✅ ステップ2:「勉強する」を選んで質問する

パソコンのブラウザ版では、チャット欄に「@study」と入力すると「勉強する」という候補が出ます。選ぶとチャット欄に青い文字で「勉強する」と表示されるので、教材などの情報ソースをアップロードして、質問を入力してください。

✅ ステップ3:答えが出てきたら「ヒントで」と頼む

学習モードは、質問をしながら一緒に答えを導く設計ですが、直接答えを示すこともあります。そのときは、たとえば「答えは言わずに、ヒントだけください」と頼んでみましょう。

※学習モードは、通常のChatGPTの会話で使う機能です。一時チャットやプロジェクトの中では使えません。スマホ版のAndroidアプリでは、チャット欄に「@」と入力すると出てくる一覧から「勉強する」を選べます。学習モードの回答も誤ることがあるため、重要な内容は確認してください。

※学習モードの表示や操作方法は変わることがあります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。

- ChatGPT で学習モードを使う(OpenAIヘルプ):https://help.openai.com/ja-jp/articles/11780217-using-study-mode-in-chatgpt

- ChatGPT の学習モード(ChatGPT公式):https://chatgpt.com/ja-JP/features/study-mode/

①「+」→「study」または「@study」入力。②「📖 勉強する」→クリック→青文字の「📖 勉強する」が表示される。

スマホ版の入力方法


【まとめ】

AIに答えを教えてもらうか、ヒントをもらって自分で考えるかは選ぶことができます。ChatGPTの「学習モード」なら、質問やヒントを通じて、自分の理解度を確かめながら学習できます。まずは、今勉強しているテーマを1つ選び、学習モードで質問してみてください。


【トレンド分析メモ】

📈 業界の方向性:AIには、答えを示すだけでなく、質問やヒントで考え方を導く使い方も用意されています。

👨‍💻 今後1〜3ヶ月で準備すべきこと:ひとりで学んでいるテーマを確認し、答えを聞く場面とヒントをもらう場面を分けて、AIを使ってみましょう。

💡 注目キーワード:学習モード(質問やヒントで考え方を導くChatGPTの機能)/@study(チャット欄で学習モードを呼び出す入力)/勉強する(学習モードを選ぶときに表示される名前)


👇 さらに詳しい内容は10月17日(土)のブログをチェック!

https://www.liflow-partner.com/blog


【情報ソース】

論文「AI Assistance Reduces Persistence and Hurts Independent Performance」(arXiv) https://arxiv.org/abs/2604.04721 (2026年4月6日公開・2026年10月3日改訂)

Berkeley News(UCバークレー公式ニュース) https://news.berkeley.edu/2026/10/09/using-ai-for-just-10-minutes-erodes-your-ability-to-persist-at-hard-things/ (2026年10月9日)

OpenAIヘルプ「ChatGPT で学習モードを使う」 https://help.openai.com/ja-jp/articles/11780217-using-study-mode-in-chatgpt (2026年10月15日確認)

ChatGPT公式「ChatGPT の学習モード」 https://chatgpt.com/ja-JP/features/study-mode/ (2026年10月15日確認)

OpenAI「ChatGPT に学習モードが登場」 https://openai.com/ja-JP/index/chatgpt-study-mode/ (2025年7月29日)

中央日報日本語版「AIから答えを得た人、自力で解くと正答率65%…ヒントを得た人は76%」 https://japanese.joins.com/JArticle/356254 (2026年10月13日)

GIGAZINE(同じ研究の紹介記事) https://gigazine.net/news/20260408-ai-assistance-reduce-persistence/ (2026年4月8日)


【ファクトチェック報告】

- 確認済み事実

- 研究の規模・課題・正答率:一次情報=論文本体(arXiv・2026年10月3日の改訂版)で確認。1,222人は3つの実験の募集人数の合計です。65%・76%・77%は、3つとも2回目の実験(分数の問題・667人)で、AIが使えなくなった最後の3問の正答率です。65%と76%は「AIを使えたグループ」の中を使い方別に分けた数値、77%は「AIを使わなかったグループ」の数値です。

- 研究の紹介日(2026年10月9日)と共同研究の大学:UCバークレーの公式ニュースと論文で確認。

- 学習モードの内容・対象プラン・使えない場所(一時チャット・GPT・プロジェクト)・直接答えを示すことがある点:一次情報=OpenAIヘルプの日本語版で確認。提供開始は2025年7月29日の公式発表で確認。

- 操作(「@study」と入力すると「勉強する」が候補に出る/Backspaceキーで消すとオフになる):筆者の画面(パソコンのブラウザ版)で確認。Androidのアプリで「@」と入力すると出る一覧に「勉強する」があることも確認。

- 未確認情報

- スマホアプリは、筆者のAndroidアプリで「@」と入力したときの一覧に「勉強する」があることだけを確認しました(「+」の一覧には表示されません)。iPhoneのアプリは確認していないため、手順を書いていません。

- 学習モードで「ヒントだけください」と頼んだときの返答の様子は確認していないため、本文では「頼んでみましょう」までにしています。

- テキストから問題を出してもらったときの表示(選択肢の下のヒント、回答後の正誤と計算過程の解説)は、筆者が中小企業診断士のテキストで1回試して確認したものです。いつも同じ表示になるとは限りません。

- 注意事項

- 使い方別の正答率は、参加者の申告をもとに後から分けたもので、論文は「必ずしも因果関係ではない」と書いています。また、論文が統計的に比べているのは「直接答えをもらった人」と他のグループとの差です。76%と77%は近い数値ですが、「差がないことが確かめられた」とは書いていません。

- この研究は、ChatGPTの学習モードを試したものではありません。学習モードの紹介は、研究結果を受けた記事側の提案として、研究の説明と段落を分けています。

- 影響を測ったのはAIを外した直後だけで、数日後まで続くかは確かめられていません。そのため「AIを使うと学力が下がる」とは書いていません。

- 公式の3ページで、選択肢の表示名が「学習」「勉強する」「あらゆる学びをサポート」と食い違っています。本文は、筆者の画面の表示(「勉強する」)に合わせています。


次へ
次へ

Claudeで資料を作る「3つの機能」が無料プランに