すべてを失った50歳、ハローワークの扉を叩く
私の人生を賭けたリスキリングはここから始まった
いつもブログを読んでいただき、ありがとうございます。
前回までは、約20年にわたる個人事業主としての経験、そして事業承継、事業売却という大きな決断を経て、
文字通り「ゼロ」になった僕がハローワークの門を叩き、職業訓練に通い始めるところまでをお話ししました。
50歳、スキルなし、コネなし。
あるのは「なんとかしなきゃ」という焦りだけ。
そんな私が人生の再起を賭けて選んだ道、それが「職業訓練」でした。
今日は、私の人生を賭けたリスキリングが、具体的にどのように始まったのかをお話しします。
なぜ「C言語プログラミング」だったのか?
ハローワークで紹介された数ある職業訓練の中で、私が選んだのは「C言語プログラミング科」でした。
「50歳の未経験者が、今からプログラミング?」
「もっと簡単な事務スキルとかの方がいいんじゃない?」
そう思われるかもしれません。
正直、私も不安でした。
でも、20年近く個人事業主として世の中を見てきた中で「ITスキル」の重要性は痛いほど感じていたんです。
特に親の事業を継いだ後、会計ソフトを導入して経理業務の大幅な改善を実感した経験もありました。
「どうせやるなら、中途半端は嫌だ。これからの時代に必須となる、根本的な知識を学びたい」
その一心で、IT・コンピュータシステムに関する基礎的な知識から学べる、このコースを選びました。
もちろん、入講には選抜試験と面接がありましたが、なんとか合格を掴み取りました。
地獄の猛勉強と、小さな「できた!」の積み重ね
訓練校での日々は、想像を絶するものでした。
なにせ、私は完全なド素人。C言語の講義は、まさに「宇宙語」でした。
訓練は「講義→演習→テスト」というスパイラル形式。
理解が追いつかないうちに次の単元に進み、毎日がテスト漬け。
周りは若い人たちばかりで、自分の理解力のなさに何度も心が折れそうになりました。
C言語だけでなく、基本情報技術者試験講座、データベース(SQL)の講座もあり、頭は毎日パンク状態。
でも、私は「ここで逃げたら終わりだ」と自分に言い聞かせました。
約30年ぶりに「生徒」として机に向かい、必死で食らいつきました。
そんな地獄のような日々の中で、小さな光もありました。
訓練の最後には、グループ学習で「シフト表自動生成プログラム」を作成したり、
個人でも「ID/パスワード入力不要のログインプログラム」を(拙いながらも)完成させることができたんです。
「自分でも、プログラムを作れた!」
この「小さな成功体験」が、どれほど僕の自信になったか分かりません。
この時に得た「情報処理およびソフトウェアシステムの設計、構築に関する知識」は、間違いなく僕の財産になりました。
リスキリングは「訓練」で終わりじゃない。
私にとって、この職業訓練は「人生を賭けた」挑戦でした。
だから、ただ通うだけでは意味がないと思っていました。
訓練と並行して、私は資格試験の勉強も続けました。
そして、訓練期間中に、まずはITスキルの基礎である「ITパスポート」に合格。
さらに、訓練が終了した後も勉強を続け、2022年の4月には、経営とITを繋ぐ専門資格である「ITコーディネータ(ITC)資格」も取得しました。
約20年の経営経験と、この訓練で得たIT知識。
バラバラだった点と点が、ようやく線で繋がり始めた瞬間でした。
50歳からでも、ゼロからでも、本気でやれば道は拓ける。
この職業訓練での半年間は、私に「再起できる」という確かな手応えと、次のステップに進むための「武器」を与えてくれたんです。