AI検索での「表示回数」が見え始めた。
検索結果に出るAIの要約に、自分のページは使われているのでしょうか。Googleは2026年6月3日、Google Search Consoleに生成AIのパフォーマンスレポートを導入しました。無料で見られるのは表示回数だけです。何が分かって何が分からないのかを解説します。
【何が起きているのか】
Google検索セントラルの公式ブログは2026年6月3日、Search Consoleに「生成AIパフォーマンスレポート(検索)」を導入したと発表しました。Search Consoleは、自分のサイトがGoogle検索でどう扱われているかを確認できるGoogleの無料サービスです。
対象になるAIの機能は「AIによる概要」と「AIモード」の2つです。AIモードは2025年9月9日にGoogleが日本語での提供開始を発表し、順次始まりました。なお、Search Labs(試験運用版)のデータはSearch Consoleに含まれない、と公式ヘルプに書かれています。
このレポートで見られる数字は「インプレッション数(表示回数)」だけです。公式ヘルプはこれを「Google検索の生成AI機能でユーザーにサイトへのリンクが表示された回数」と定義しています。データを分けて見る区分は「ページ」「国」「日付」「デバイス」の4つです。
「クリック数」「クリック率」「掲載順位」「検索語句」は、このレポートに含まれていません。
ここで、誤解しやすい点が2つあります。
1つ目は、クリックの扱いです。AI経由のクリックが計測されていないわけではありません。「AIによる概要」や「AIモード」から外部ページへのリンクをクリックすると、クリック数としてカウントされる、と公式ヘルプに書かれています。ただし、そのクリック数が出てくるのは、これまでの検索パフォーマンスレポートのほうです。今回のレポートにクリック数は出てきませんし、既存のレポートを見てもAI経由の分がいくつかまでは分かりません。
2つ目は、これまでのレポートとの関係です。この表示回数は、これまでの検索パフォーマンスレポートにすでに含まれています。公式ブログは、このデータは全体のパフォーマンスレポートに含まれており引き続き追跡される、と説明したうえで、生成AI機能での見え方に特化した別の画面を用意したと書いています。新たに加えた数値ではないため、2つを足し算すると重複することになります。
提供範囲にも条件が付いています。公式ヘルプには、2026年8月25日に確認した時点でも「一部のウェブサイト所有者を対象にリリースされます」と書かれていて、すべてのプロパティ(登録したサイトの単位)で使えるわけではありません。レポートが表示されない理由として公式が挙げているのは、段階的なリリースであることと、サイトが生成AI機能で十分な表示回数を獲得していないことの2つです。
2026年8月11日ごろに対象が大きく広がったと海外メディアが報じていますが、同じ記事には、GoogleのJohn Mueller氏が「まだすべてのドメインではない」と述べたことも追記されています。Googleは全面展開の発表をしていません。
もう1点、いま数字を見るときに知っておきたいことがあります。Googleは公式の「Search Consoleのデータ異常」ページで、2026年8月13日以降のデータについて、このレポートの表示回数が実際より少なく出ていることを認めています。2026年8月25日に確認した時点で「現在も継続中」と書かれています。いま画面に出ている数字は、本当の数より少ない可能性があります。
2026年6月3日に導入。AIによる概要とAIモードでの表示回数を、ページ・国・日付・デバイス別に確認できる。
【個人ビジネスにどう役立つのか】
これまでは、AI検索での表示回数もクリックも検索全体の数字に混ざっていて、AI経由の分だけを取り出して確かめることができませんでした。表示回数だけとはいえ、切り出して数えられるようになった意味は小さくありません。
数字が1つ増えると、限られた時間をどこに使うかを自分で決められます。
● ライター:自分のブログで実績を見せながら、仕事の依頼を受けている。
- Before:どの記事が読まれているのか分からず、自分の思いつきや感覚で記事を書き足していた。
- After:AI検索で表示回数が出ているページを先に確かめ、その記事に取材の記録や件数を追記する。
● コンサル・士業:制度や手続きの解説を自分のサイトに載せている。
- Before:検索順位だけを見て、上がらない記事の見出しを何度も書き直していた。
- After:表示回数が出ているページと、まったく出ていないページを分け、出ているほうから内容を見直す。
● 物販・個人店:商品の説明ページと、お店の紹介ページを持っている。
- Before:どのページがお客さまの目に触れているか分からないまま、写真や情報を差し替えていた。
- After:デバイス別の表示回数を見て、スマートフォンから見られているページの説明文を先に整える。
どの例にも共通しているのは、作業の量を増やすのではなく、手を加える場所を先に決めているという点です。
私は営業時代、百貨店やGMS(総合スーパー)を担当していました。まず取り組んだのは、商品の良さを語ることではなく、売場を確保することでした。置かれる場所が増えれば、その分だけお客さまの目に触れる機会も増えます。まず、どれだけ目に触れる場所が増えたかを確かめる。 その順番は、情報発信でも変わらないと思っています。
【具体的な始め方・おすすめツール】
✅ ステップ1:Search Consoleに自分のサイトを登録して、レポートが出るか確かめる
まず、自分のサイトをSearch Consoleに登録します。そのうえで、生成AIのパフォーマンスレポートが表示されるかどうかを確かめてください。表示されない場合、原因が自分の側にあるとは限りません。公式が挙げている理由は、段階的なリリースであることと、生成AI機能での表示回数が十分に出ていないことの2つです。
※ Search Consoleは無料のサービスで、このレポートに追加の料金はかかりません。ただし2026年8月25日に確認した時点でも、公式ヘルプは「一部のウェブサイト所有者を対象にリリース」と記載しています。日本のサイトで表示された例は国内メディアが報告していますが、国や言語による制限は公式に書かれていません。
※最新の利用環境や料金は、公式ヘルプをご確認ください。
- 生成AIパフォーマンスレポート(検索)(Google公式):https://support.google.com/webmasters/answer/16984139?hl=ja
- Search Console に検索の生成AIのパフォーマンスレポートを導入(Google公式):https://developers.google.com/search/blog/2026/06/gen-ai-performance-reports?hl=ja
✅ ステップ2:ページごとの表示回数を、期間をそろえて書き出す
レポートが出ていたら、表示回数をページごとに書き出します。期間をそろえないと比べたことになりません。同じ長さの期間でそろえてください。
書き出すときの注意が2つあります。1つは、2026年8月13日以降の数字が実際より少なく出ていることです。この期間を含めて「減った」と判断しないでください。もう1つは、これまでの検索パフォーマンスレポートの数字と足し算しないことです。同じ数字の内訳のため、足すと重複することになるからです。
※なお、グラフはサイト単位で集計され、同じサイトから生成AIの結果に2件表示されても合計では1回として数えられる、と公式ヘルプに書かれています。グラフの合計と、ページごとの表の合計が一致しないことがあります。
✅ ステップ3:AI検索のための新しい作業は足さず、基本の項目を確認する
表示回数が分かると、AI検索向けに何か特別なことをしたくなります。ここについてはGoogleが公式ドキュメントに答えを書いています。
「AI機能とウェブサイト」というページに、SEO(検索結果に出やすくする工夫)のベストプラクティス(最善の方法や手法)は引き続きAIの機能でも有効であり、「AIによる概要」や「AIモード」にコンテンツが表示されるための追加の要件は無く、別途特別な最適化を行う必要も無い、と明記されています。技術面についても、ページがインデックス(検索の登録一覧)に登録され、検索でスニペット(検索結果の説明文)が表示され、検索の技術的要件を満たしていれば、これ以外に追加の技術要件は無いと書かれています。AI機能で表示されるために、新しいファイルやマークアップ(HTMLでの書き方)、特別な構造化データ(整理されたデータ)を作る必要も無いそうです。
同じページが挙げている確認項目は、クロール(検索用の巡回)が許可されているか、サイト内のリンクからコンテンツを見つけられるか、重要な内容がテキストで書かれているか、構造化データがページに表示されている文章と一致しているか、といったものです。
※最新の情報は公式ドキュメントをご確認ください。
- AI 機能とウェブサイト(Google公式):https://developers.google.com/search/docs/appearance/ai-features?hl=ja
登録して確かめ、期間をそろえて書き出し、公式が挙げる基本の項目を点検する。今日から進められる3ステップ。
【まとめ】
AI検索での表示回数は、これまで検索全体の数字に混ざっていて、その分だけを取り出すことができませんでした。2026年6月からは、AI機能の分だけを切り出して数えられるようになっています。見られるのは表示回数だけで、クリック数も検索語句もありません。対象もまだ一部のサイトに限られます。まずはSearch Consoleを開いて、レポートが出るかどうかを確かめてみてください。
【トレンド分析メモ】
📈 業界の方向性:検索結果にAIの要約が入るようになってからも、表示回数やクリックは検索全体の数字に含まれていました。今回のレポートは、そのうちAI機能の分だけを取り出して見られるようにしたものだと私は受け止めています。ただしGoogleが公開したのは表示回数だけで、クリック数も検索語句もありません。公式ブログには時間の経過に伴う指標の追加という記述があり、今後増える可能性はありますが、何がいつ追加されるかは公表されていません。
👨💻 今後1〜3ヶ月で準備すべきこと:まずSearch Consoleに自分のサイトを登録し、レポートが出るかどうかを確かめてください。出ていれば、月ごとの表示回数をページ単位で記録に残す習慣を作ることをおすすめします。2026年8月13日以降のデータには公式が認めた不具合があるため、この期間を含めた比較で判断しないことも押さえておいてください。
💡 注目キーワード:生成AIパフォーマンスレポート(検索)(AIによる概要とAIモードでの表示回数を確認できるSearch Consoleのレポート)/インプレッション数(生成AI機能でサイトへのリンクが表示された回数)/AIによる概要(検索結果の上部に表示されるAIの要約)/AIモード(検索結果ページのタブから使えるAIとの対話型の検索。日本語での提供は2025年9月9日に発表)/ディメンション(データを分けて見るための区分。このレポートではページ・国・日付・デバイスの4つ)/Search Consoleのデータ異常(Googleがデータの不具合を公開しているページ)
【情報ソース】
- Google 検索セントラル ブログ「Search Console に検索の生成 AI のパフォーマンス レポートを導入」:https://developers.google.com/search/blog/2026/06/gen-ai-performance-reports?hl=ja (2026年6月3日)
- Search Console ヘルプ「生成 AI パフォーマンス レポート(検索)」:https://support.google.com/webmasters/answer/16984139?hl=ja (閲覧日2026年8月25日)
- Search Console ヘルプ「表示回数、掲載順位、クリック数とは」:https://support.google.com/webmasters/answer/7042828?hl=ja (閲覧日2026年8月25日)
- Search Console ヘルプ「Search Console のデータ異常」:https://support.google.com/webmasters/answer/6211453?hl=ja (閲覧日2026年8月25日)
- Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」:https://developers.google.com/search/docs/appearance/ai-features?hl=ja (最終更新2025年12月31日)
- Google Japan 公式ブログ「AI モードの日本語提供について」:https://blog.google/intl/ja-jp/products/explore-get-answers/ai-mode-search/ (2025年9月9日)
- Search Engine Roundtable「Google Search Console AI Performance Report Now Live」:https://www.seroundtable.com/google-search-console-ai-report-live-41850.html (2026年8月11日)
【ファクトチェック報告】
■ 確認済み事実
- レポートの正式名称「生成 AI パフォーマンス レポート(検索)」と、公開日が2026年6月3日であることは、一次情報=Google検索セントラルの公式ブログ日本語版と、Search Console公式ヘルプの日本語版で確認しました。
- 見られる指標がインプレッション数のみであること、その定義が「Google 検索の生成 AI 機能でユーザーにサイトへのリンクが表示された回数」であること、区分がページ・国・日付・デバイスの4つであることは、公式ヘルプの記載です。クリック数・クリック率・掲載順位・検索語句は、公式ブログにも公式ヘルプにも記載がありません。
- AI経由のクリックが既存の検索パフォーマンスレポートでカウントされていることは、公式ヘルプ「表示回数、掲載順位、クリック数とは」に、AIによる概要とAIモードそれぞれについて明記されています。
- このデータが既存の検索パフォーマンスレポートに含まれていることは、公式ブログ・公式ヘルプ・公式ドキュメント「AI 機能とウェブサイト」の3か所で確認しました。別立ての数値ではないため、本記事では足し算できないと書いています。
- 提供が段階的で「一部のウェブサイト所有者を対象にリリースされます」と書かれていること、表示されない理由が2つ挙げられていることは、2026年8月25日に公式ヘルプで確認しました。
- 2026年8月13日以降のデータでインプレッション数が実際より少なく出ていること、確認時点で継続中であることは、Google公式の「Search Console のデータ異常」ページで確認しました。
- AI機能に表示されるための追加の要件が無く、特別な最適化も不要であること、追加の技術要件が無いこと、新しいファイルやマークアップ、特別な構造化データが不要であることは、公式ドキュメント「AI 機能とウェブサイト」の日本語版で確認しました。
- Search Consoleが無料のサービスであることは、公式ヘルプの記載です。
- AIモードの日本語提供を2025年9月9日に発表したことは、Google Japanの公式ブログで確認しました。
■ 未確認情報
- 対象プロパティが2026年8月11日ごろに大きく広がったという情報は、海外メディアの報道です。Googleは全面展開を発表しておらず、同じ記事にGoogleのJohn Mueller氏が「まだすべてのドメインではない」と述べたことが追記されています。そのため本記事では「報じられている」と書き、公式ヘルプの段階的リリースの記載と並べています。
- このレポートで遡れるデータの開始日は、公式ブログ・公式ヘルプに記載が見つかりませんでした。海外メディアは2026年5月18日以降と報じていますが、公式の裏付けが取れないため本記事では触れていません。
- 表示の細かさについて、公式ブログは時間別の粒度に触れていますが、日本語ヘルプの説明は日・週・月のみで、記述が一致しません。そのため「時間単位でも見られる」とは書いていません。
- AI検索経由のクリック率や流入の増減を示す具体的な数値・割合は公表されていません。Googleは、AIによる概要が表示される検索結果ページからのクリックは質が高いと書いていますが、数値の記載が無いため本記事では数値を挙げていません。
- サイトをAI検索の対象から外す「検索の生成 AI 設定」については、日本のサイトで使えるかどうかが公式にも報道にも記載されていないため、本記事では扱っていません。
- AIによる概要が日本語でいつから提供されたかは、Google公式の一次情報を確認できませんでした。そのため本記事では日付を書いていません。
■ 注意事項
- 「AI検索経由のクリックは計測できない」と書くと誤りになります。クリック自体は既存の検索パフォーマンスレポートでカウントされています。正確には「AI経由の分だけを切り出して見ることができない」です。
- 「誰でも使えるようになった」と書くのも誤りになります。公式ヘルプは確認時点でも一部のウェブサイト所有者を対象としており、Googleは全面展開を発表していません。
- このレポートの数字を、これまでの検索パフォーマンスレポートの数字に足すと二重計上になります。同じ数値の内訳を切り出した画面のため、足し算は成立しません。
- 2026年8月13日以降の表示回数は実際より少なく出ています。この期間を含めて増減を判断すると、誤った結論になります。
- グラフはサイト単位、表はページ単位で集計されるため、合計が一致しないことがあります。表の数字を合計してグラフの数字と比べないよう注意が必要です。